縦割り集団の「育ち合い」パワー

「縦割り集団」なんていう言葉は最近あまり耳にしないですね。
30年前には当たり前だった言葉がどんどん死語になっているようです。
失われるのは言葉だけでなく、その言葉が表していた文化や社会的効果も同時に消えて行って
いるのでしょう。でも、これはとても重大な問題だとふとした瞬間に気づかされます。

歩楽來がオープンしてもうすぐ半年が立とうとしています。
家族単位の会員制を採っている関係で、生徒数は多くありませんが、
小学校3年生から中学生、高校生、既卒生までの子どもたちが
毎日通ってきてくれています。
年齢差にすると最大10歳。
授業は個別指導ですから、この子たちが同時に教室に入ることはありませんが、
自習室で勉強する大学受験生・高校受験生とマイベンコースの小学生が
歩楽來で一緒になるケースがよくあります。

「お兄ちゃん何勉強してるの?」
「うーん?ああ、これはね難しい英語の単語帳だよ。」
「見せて見せて。」
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小学校4年生が、既卒生の勉強している東大受験用の分厚い単語帳に目を通しています。
もちろん、わかるわけがありませんが、こういう風にして学ぶことに関心を高めてくれれば最高です。
既卒生の方も、なぜか小学生に大人気な自分のことをうれしく思っているようで、
「小学生、いいよなー。いやされるなあー。」とよく言っています。
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こういう異年齢の触れ合いの中で、刺激を受け合い、自己の存在価値を確認し合って
子どもたちが育つというのは、人類史始まって以来すうっと普遍的なことだったのでしょう。

お姉ちゃんも弟も母親も青年もこの場所に集って育ち合う。
そういう家族的な会員制度を採って本当に良かったと思えるこの頃です。
「縦割り集団の育ち合いパワー」の発信基地として
これからも歩楽來は進んでいこうと思っています。