「9歳の壁」
教育発達心理学上よく言われる「9歳の壁」という言葉はご存じのことと思います。この言葉がさしている意味を一言に説明しますと「抽象世界への飛躍」ということになります。
たとえば、「マグロ」という言葉が本当の魚のマグロを示すだけでなく、比ゆ的な意味でごろ寝をしている大人を指すという理解ができるかどうか。または算数で、1,2,3という具体的な数字をXやYといった文字に仮に置いて考えることができるかどうかということです。つまり、見た目の具体的なモノにとらわれず象徴的な意味理解ができるようになる年頃が9歳という年齢帯だということなのです。
しかし、子どもには個人差がありますから、9歳という年齢に限定できない場合が多々あります。早い子もいれば遅い子もいるということです。抽象世界への飛躍という発達はぜひともクリアしなければならない課題ですが、その子の状況に合わせて焦ることなくハードルを飛ばせてあげればよいと理解しておいてください。
歩楽來ではこの「9歳の壁」のクリアは、文章を読む中で「現実から遠く離れたありえないことを思いうかべるイメージ力」の指導を中心として行われます。具体的なモノから抽象的なモノへの飛躍は、すなわち、身近な具体的なモノから遠くて未知の具体的なモノへの飛躍トレーニングの積み重ねで獲得されるからです。
ご家庭でもこの「イメージの飛躍」をふくんだ日常の会話を心がけることで、お子様の抽象化する力はどんどん伸びますので、ちょっと気に留めて実践してみてください。具体的なやり方としては荒唐無稽な冗談を会話の中にどんどん混ぜるのが有効でしょう。それでもよくわからないという場合は、いつでも歩楽來までお問い合わせください。